「春」タグアーカイブ

案山子のように 影を見て
怯える日々に 立ちすくむ
花のつぼみが 開く日は
風に 吹き飛ばされたって
心静かで ありたいの
シリアスな 春だから
uh… 月夜は 好きよ
温もりのある 眼差しが
全てを 包んでくれるなら
惑うことなく 委ねるわ


燕のように 空を見て
疑う日々に うなだれる
薄紅色に 染まる日は
雨に 打ち付けられたって
心豊かで ありたいの
シリアスな 春だから
uh… 繋いで トゥナイト
偽りのない 言霊が 
全てを 流してくれるなら
足掻くことなく 委ねるわ

郷愁桜

並木道は 春の香り
待ち望む この日の再開は
穏やかな 日差しが眩しくて
君の影も 包み込んでいる
頬なでる 風に振り向くと
郷愁桜が 薄紅の
大粒涙を 流してる

鳥の唄は 君の便り
思い出す 優しい微笑みは
緩やかな 時間が楽しくて
僕を今も 包み込んでいる
すれ違う 風に振り向くと
郷愁桜が 薄紅の
大粒涙を 流してる

春のメモリー

沈んで いきそうな
水面に映る メモリー
そっと 浮かべる 笹船に
乗せて ゆっくり 進んでく
もう ここに 戻らないと
誓って 見上げる 空
寂しいかいって トンボが聞くから
いいや 君と同じさと 答えて
微笑みながら 目を閉じた 春の日

かすんで 消えそうな
花びらに香る メモリー
そっと 差し出す 手の平に
乗せて ゆっくり 息を吹く
もう ここは 過去の世界
止まって 振り向く 道
忘れたか言って チョウチョが聞くから
そうさ 君と同じさと 答えて
うつむきながら 目を閉じた 春の日

二十二の春

「終わりね」って 言ったのよ
もう 聞き返さないで
動かす唇を 木漏れ日の中
桜の花びらたちが さえぎったわ

手を振る貴方に 笑顔で返えすのは
液晶画面の私 十九のメモリー 
水晶色の雫が こぼれちゃいそうよ
うつむいている間に 去っていてね
ひらひらひら 桜散る 二十二の春

 
「さよなら」って 言ったのに
もう 振り返らないで
届かないわびしさを 春風がさらい
桜の花びらたちが 断ち切ったわ

手を振る私に 背中で返したのは
液晶画面のあなた 去年のメモリー
ハーブティーにため息が 浮かんじゃいそうよ
カップを下ろす間に 去っていてね
ひらひらひら 桜散る 二十二の春

春うらら

見上げた空は 雪降るように
一片一片の 花びら落ちる
淡く 切なく 潔く
わずかな宙(そら)を 鮮やかに
舞って 舞って 舞い上がり
散って 散って 散り尽きる
桜 満ちて 溢れる 春うらら

 
マッチに灯る 炎のように
一片一片の 花びら揺れる
熱く 眩しく 美しく
風に流され 舞いながら
燃えて 燃えて 燃え尽きて
白い 白い 灰になる
私 満ちて 溢れる 春うらら